らぽーるエピソード

8年ぶりにお風呂に入れるようになったAさん(水への強いトラウマから解放された)

スタッフと利用者を誘い、散歩に出かけるAさん
スタッフと利用者を誘い、散歩に出かけるAさん

20歳のAさんは、自閉性障害のある男性です。 

 「らぽーる」の利用を開始した時点では、Aさんは水への強いトラウマの影響があり、お風呂に入れない状態でした。

この入浴できない状態は、8年も続いており、ご家族は困り果てているようでした。

それというのも、ただ手をこまねいていたのではなく、養護学校の在学中、先生らの協力を得てあの手この手を使ってトラウマ解放に尽力してきたからです。

しかし、どのようにはたらきかけても、本人の激しい拒絶に遭い、断念せざるを得なかったようです。

 

「らぽーる」では、まず通所開始から3か月間は、Aさんが生活に慣れ、スタッフと信頼関係を築いていくことを最優先し、入浴を促すチャンスを注意深く待つことにしました。

3か月後のある日、ついにそのチャンスが到来しました。スタッフは「Aさん、お風呂行くよー」と声かけしました。Aさんは、スタッフの後について行くどころか、自分でお風呂の扉を開けて入っていくではありませんか! Aさんは、スタッフの声かけで服を脱ぎ、8年ぶりにご入浴されました。

Aさんが新しい可能性を開いたこの出来事に、ご家族、スタッフともに大感動しました。

 

食事の形態の見直しと、リハビリ体操で嚥下障害が改善したBさん

25歳のBさんは、体幹機能障害のある女性です。

通所開始時、食事はミキサー食でした。しかし、飲み込むことが上手くいかず、むせ込むことがよくありました。

スタッフは、むせ込みの原因について、食べ物が食道ではなく、気管支に流れ込むことによって起こっていること、その結果、肺炎などの危険があると考えました。

 

そして、全身状態や姿勢、噛む力などを総合的に検討して、常食にすることが可能ではないかという結論にたどり着きました。

常食にしたところ、Bさんはよく噛んで食べるようになり、ミキサー食のときよりも飲み込みがよくなりました。

 

さらに、スタッフは、Bさんに120分間、身体の緊張をほぐす体操を促しました。それを行うようになってからは、筋肉の緊張が和らぎ、飲み込みが一段とお上手になられました。今では、むせ込むこともほとんどなく、他のご利用者様と並んで常食をお召し上がりいただいています。